咳をしても二人

気付いたら瀬も瀬でした。年の。今年も一年ありがとうございました。

夏の終わりに実家を離れ、秋に目出度く人の妻になりました。そこだけ抜き出せば大変に良い年でしょうが、考えればそこからは何も良いことがなかった。病気の連続。今まで風邪もあまり引かなかった自分が、引いては拗らせ、処方された薬でアレルギーを起こし、今現在も咳が止まらず、この平成の終わりに結核で死んでいった明治の文豪の気持ちで筆を執っている。
夫も2年に一度くらい疲れの限界に達すると起こす扁桃腺炎をつい先日起こし、果たしてこの生活は私達にとって正解なのか。

そもそも、今年の漢字「災」の採用に大きく貢献した9月の地震、あれは同棲開始から僅か一週間後だった。あの数日後に暦上大変縁起が良いとされる日がありその日に入籍すべきと夫が主張していたのですが、地震でそれどころじゃないねとなりひと月ほど延期したのだった。暦とは?縁起とは?いいことがあるって本当?出身大学は?恋人は?調べてみました!

だから私がなんにもいいことなかった!最悪!失敗だよ!なんて日だ!どこよ!パナマどこよ!と思っているかというと、それは違って、なんと、夫のおかげで、毎日おもしろいので、ちょ〜うどトントン。夫のおもしろさをここで羅列するわけにはいかないのでいつか本を出します。引っ越したのに前の家と同じような上の階のうるささだけどもしかしたら私の爆笑もうるさいかもしれないからちょうどトントン。(そんなに大きな声を出して笑える人間だったらもっと人生全体が明るかったと思うのでこれは嘘)

地震だってもし実家を出る前に起きていたら、親を残して行くのが心配になって、夫と暮らしても仕事でだいたい私が家に一人でいることが不安になって、諸々を延期していただろうと思う。でももう出てきてしまっていたので、全然なんとかなったので、またこれからも何かしらはあるでしょうが、私達は私達で、親は親で、各夫婦手を取り合って頑張りましょうねという気持ち。私は全ての物事の順番やタイミングには意味があると思っています。

そんなこんなで体力が全然回復しないまま今年が終わってしまう。自分のやりたいことが全然出来ず、やりたいこと永遠の第1位・昼寝もやり放題かと思いきや仕事の日にできない家事をするとできなかったりする。このジレンマが体調不良を生んでいる。私は平成をずっと横から見てきた女だから。結婚式をやって子供を授かろうかというエネルギーが全然生まれない。披露しなければ私はこのままで幸せだと世間は納得してくれないらしい。人は意外と私に興味があったらしい。マジ意外。これでもかと見せつけないと信じてくれないらしい。信じてください今日も明日も幸せ。咳さえ止まれば。