年の瀬川瑛子/今年くれない

 

“瀬“感がやばすぎる。年の。いくらなんでも。

 

今年はオミクロンの懸念はあるものの、昨年のような外出自粛はなく、皆が忙しなく、そして楽しそうにしており、私もその一人。

あんな思いをしてきたのに皆狭い店で酒を飲み交わしている。

 

昨年の瀬は、そんなに騒ぐならやめればいいのに検査を受けるかどうするかだのひととおり騒ぎながら仕事を押し付けて早々と休みをとり勝手に帰省する上司や、大晦日私の帰省を楽しみにしている親がいるけど毎日最大の駅の中を通勤し接客してる私が帰って大丈夫なのか悩み続ける毎日、仕事自体が飲酒(語弊)の夫がこんな中でもやっぱり人と酒を飲まなければならず連日深夜帰宅、などなどの全てに耐えられなくなり完全に心身に影響をきたしていた。

一人になるとざわざわと寒気がして、息がしづらくて、母には正直にいろいろ心配しすぎて体が辛いと伝えて実家に帰るのを中止した。そんなことを言ったら逆にとても心配させてしまうかと思ったら両親はそっとしておいてくれた。親に会ってうつす可能性という心配を一つ消して仕事だけ我慢してあとは家で心ゆくまま正月番組を観るなどして過ごしたら大ごとになることなく回復することができたのだった。

自分はのほほんと生きられる人間だと思っていたけど全然ストレスに弱くなっていたこと、こんなふうになってしまうことを知ってなんというか、現代社会を取り巻いているメンタルヘルスの問題も全く無関係ではないとわかったし自分を守っていく方法を見つけていかないとなどと考え始める出来事となった。

 

そんな瀬を経て、まるで忘れ去ったかのようにこの2年間でもめずらしいスケジューリングで遊んでいる今年。しかし絶えず去年はああだったのにと頭の中で反芻している。良かったな今年は楽しいなと思う一方こんなんで本当に大丈夫なんだろうかとも思ってふわふわ固まらない気持ちが日々渦巻いている。

 

クリスマスは仕事以外で何年ぶりかわからない新しい飲み友達とシャンパンを飲んだりケーキを食べたりした。昨年の瀬には会うことができなかった姪と今年は会える。嬉しい。

昨年は自分もああで、この国もああで、今年入ってからもっとああで、今も複数の国がああなのに。私や私の家族は楽しい年末を迎えている。