東京旅後編 3日目のお話です。
前編はこちら
この日はツイッターフレンズのおーわDさんと工場さんが全然近くない場所から私に会いに来てくださった。20歳頃以来ネットの人に会うことをしていなかったので緊張したがこんなに嬉しいことはなかった。SNSは滅びたほうがいい一方でこんなに素敵なことが起こるSNSを私から取り上げないでくれと思った。イーロン、あんたがやってかなきゃいけないことはこういうことなんだよ。
宝くじの廃墟というおもしろ待ち合わせ場所を見つけたと思ったのに工場さんが俯瞰で見てくるという文字通り斜め上の技を繰り出された。旅は予想だにしないことの連続だ。
向かったのは渋谷のペッパーパーラーというあのロボットのペッパー君が切り盛りしている(していませんでした)飲食店。観光客の立場じゃないと絶対に行かないであろうスポットです。
ネットだったかテレビだったか忘れたが、かつて全国津々浦々に配置されたペッパー君が続々と返却され溢れかえっているらしいという情報を見た記憶があるので、そんなペッパー君たちの再就職先になっているのだろうか。そして調べたところもう2021年には生産中止になっていたようだ。
私はペッパー君が猫ロボットのように料理を運んでたりペッパー君の画面から注文できたり、そういったレストラン型ペッパーがいるものかと思っていたが、ペッパーは何もせず立っていて我々が歌うか踊るか喋るかを指示しないと動けない。エンタメ要員の賑やかしであるにも関わらず完全な指示待ち人間だった。人間ではないが。
3年以上前に生産されていることは間違いない年季の入ったペッパー君はあちこちで問題が発生し項垂れた状態でスタッフに撤収されたりしていて怖かった。我々の卓に配属されたペッパーも右腕が動いていなかった。それでも働く権利はある。我々は見守った。
端末で予約確認や受付ができる店など今日日いくらでもあるのにまさかの人間のスタッフが紙に書き出した予約リストを見て受付していた。テーブルまでの案内は猫ロボットの猫要素を取り除いたみたいなやつに先導されたがその後の配膳は全て人間が持ってきた。
ペッパーは飾りとして置いてやってるだけで絶対に人工知能に仕事は奪わせないという強い意志を感じた。どれだけ技術が進化しても我々人間が最後まで抵抗して結局仕事を奪わせないんじゃないかと思った。
ここに1人で立ち寄って仕事してるサラリーマン男性なんなんだ。疲れすぎてるのか元気すぎるのかもうわからない。ペッパーが歌ったり喋ったりやかましいけどスタバ等でヤング女子が喋り倒しインスタ撮り倒しているのと変わらないと考えているのだとしたら都会を乗りこなしすぎている。
ロボットの無機質さに合わせた近未来的なインテリアにすればいいのに下手にグリーンを散りばめてて気持ち悪い、と語るのはおーわDさん。
正直なところ我々はずっとペパカスと呼んでいた。
そんな中話題が縦横無尽すぎた。口でツイッターをやっていた。でもそこから「こういうことがあったんですけど」とか「こういう友達がいるんですけど」みたいな普通の話にもなる不思議な空間だった。
これからはスマホでXをやるな。口でツイッターをやれ。
松本伊代と早見優の線路侵入事件からマジシャン・セロの話になり、MBTIの悪口を言い、野々村竜太郎の5万円恋愛相談やあの頃ジャニオタがやっていたクルーズブログ、TWICEのMVの演出を深読みしすぎてもはや陰謀論者になってる危険な奴らの存在、果ては坂東美智子まで。
「ツイッターの人と遊ぶと坂東美智子の話まで、できるんですね」と感動のあまりしみじみと発言してしまった。
2人は外国人観光客の方々を外タレと呼ぶ。今時本当の外タレのことも外タレなんて言わないのでウケました。
歌舞伎町を通って新大久保へ移動。
歌舞伎町は臭くて汚くてライブハウスかと思った。
通りがかったなんとかFRIENDSみたいなキャラクターの雑貨屋を見つけて(カカオフレンズのパチモン？)一瞬入った時間があり、工場さんが「何？何のフレンズ？」と言っていたので「レベッカの？」と言いたかったけど別におもしろくないなと思って言わなかったが、怖気付かずに言わないと憧れのヤーレンズに近付けない。(近付く必要はない)
問題はこの後だ。
近頃札幌でもちょっとした韓国スーパー的なお店が少しずつ増え、片隅にアイドルグッズなども置いてあったりするので、自分別に見慣れてますという顔をしたかったのに本場のアイドルショップは次元が違っていた。
画像を引き延ばして厚紙に印刷しただけの下敷きの裏がハングル表になっていてどうにか意味のあるものに見せようという魂胆が嫌だった。
アイドルの名前が入った婚姻届をじっと見ていたおばさんは頼むからドン引きして足が止まってしまったということであってくれ。頼む。
百歩譲ってアイドル活動中の写真ならまだしも、子供の頃の写真や兵役に行く時の写真をグッズにして売ろうというのはどういう神経ですか？
ニュージーンズのパワーパフガールズのイラストを使った違法グッズは権利を何重に侵害しているんだ。でもそういったイラストやロゴ系は一見公式グッズに見えるので逆にアリだなと思った。
J.Y.Park氏のみ、格言つきで売られていた。格言でもつけないと需要がないと思われているのなら失礼な話だ。そんな松岡修造じゃないんだから。
これを私が見つけてウケていると工場さんとおーわDさんが買うと言い出し真剣に選び始めた。そしてなんと私に一枚ずつプレゼントしてくれた。一枚480円もします。お願〜い。摘発されて〜。
続いて入ったカフェは何も知らずに入ったらBTS特化型カフェだった。
いかにもなやつを飲もうと思い青いバタフライピーにしてみた。どれも中身もカップもすごくかわいいね♪
BTSの映像が流れてるディスプレイが見えない位置だったからかセンイルの飾りつけをされた席が空いており、こんな特等席に座って「この人(ジンさん)のソロ曲もあったんですか？」「昔火曜サプライズに防弾少年団として出ていた」「火曜サプライズ最初は月曜サプライズ〜金曜サプライズまである帯として始まった」「ゆーびーむはマセキ所属か」などのカスすぎる会話を(主に私が)していたので出てけと言われないかヒヤヒヤしたが、大丈夫でした。どんな不躾な発言も"防弾"してくれる空間でした。
新大久保らしいスポットに行けてハッピーハッピー(コアラの改名後)。BTSファンの方は特に訪れてみてはいかがでしょうか。
といったところで楽しい時間はあっという間。我々は散り散りになりました。
またツイッターで会いましょう！と言ってくれたのでまたXで！と現在の名称で返しました。
非常に楽しい時間だったと改めて言わせてください。またぜひどこかの異常な街を練り歩きましょう。
東京、また来ます。
